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異業種リレーの『わ』

特集・読み物


2018.8.8

異業種リレーの「わ」No.624 株式会社備後ムラカミ 専務取締役 村上 恭久さん

今回は、「一般社団法人福山スポーツコミュニティクラブ」小林政嗣さんのご紹介により、「株式会社備後ムラカミ(福山市金江町金見3183-1 TEL:084-935-8351 )」専務取締役、村上 恭久さんに登場願いました。

 

伝統の畳に新たな価値を見いだすために

 

…畳表の産地で創業

 金江町を含め沼隈地区は、670年の歴史を誇る「びんご畳表」の一大生産地として知られています。宮中や幕府にも献上された、最高級の畳表を産んだこの地で1971年、祖父・正が畳材料商として創業したのが備後ムラカミです。

 創業7年目には、現在でも国内畳のシェア9割を超える熊本県に支店を構え、良質のイグサを使った畳表を仕入れて、備後地区の畳製造業者に卸してきました。現在は父・学が代表取締役を務めています。

 畳の原料となるイグサの生産地には、直接出向いて発育状況を確認しています。実入りが良く丈の長いイグサほど価値が高く、目筋の通った美しい畳表に生まれ変わります。出来栄えはどうしても天候の影響を受けてしまいますが、だからといって妥協はできないところです。

 買い付けは、国内をはじめ中国にまで足を伸ばしています。日本で流通している畳表は中国産が増えていますから、現地の工場に出向き、材料となるイグサの管理状態や製織工程を抜け目なく確認しています。そこがきちんとしている工場からなら、色が良く高品質な畳表を安心して仕入れることができます。

 目利きのコツは父から学びました。私が家業に就いたのは2006年ですが、その直前、中国に1年間語学留学し、買い付けに来た父に同行し、良いイグサや艶のある畳表の見分け方を学びました。


…独自開発事業の好調続く

 畳は日本の生活に根差した伝統文化ですが、ご存知の通り、現代の生活スタイルの変化で和室のある住宅は少なくなり、需要は急減しました。そこに職人の高齢化と後継者不足も加わり、店を閉める畳屋が後を絶ちません。新規参入もなく、まもなく創業50周年を迎える弊社が、「びんご畳表」の業界では最後発なんです。

 従業員数は本社と支店を合わせて15人、30~40代が中心で平均年齢は業界随一の低さだと思います。全員が責任感ある丁寧な仕事ぶりで我が社をしっかり支えてくれています。中でも一番アグレッシブなのは父です。新しいアイデアを思いついては、どんどん挑戦してきました。

 そのひとつが、独自開発した抗菌・防カビ加工の畳表「パワーズ」です。安心・安全な抗菌剤で表面をコーティングすることで、畳自体が丈夫で長持ちし、お手入れも楽になります。20年前に抗菌加工機を導入して始めた事業ですが、全国の畳製造業者から発注を受けるまでになりました。最近では71種類の菌に力を発揮する「ナイス(71ce)パワーズ」も合わせて好調で、ニーズは安定しています。


…生産者を残すために

 この10年で和紙製畳の人気が高まってきました。イグサより値は張りますが、安定して供給できて、色も変わりにくく、織りや染めなども楽にできるため、従来の畳のデザインの領域が一気に広がりました。

 弊社でも昨年から和紙の畳表や天然イグサを使って、薄型で縁のない正方形の「薄畳」の販売に力を入れています。厚さは1・5㎝で従来の畳の3分の1程度です。サイズは82㎝四方を基準に、オーダーメイドのサイズも受け付けています。また、カラーバリエーションもどんどん豊富に展開しているところです。弊社では畳屋を対象にしたインターネット販売を2000年から続けていますが、将来的には海外も視野に入れて販売するつもりです。そのために、薄畳を製造する機械を3台新たに導入しました。

 私は畳屋がゼロになることはないと思っています。むしろ、畳屋が減りすぎて製造がニーズに追いつかないときが、近い将来必ず来る! そのときに全国の生産者を1軒でも多く残すためにも、畳の価値を上げていかなければなりません。それが、我々畳に関わる者の使命でもあると思っています。

異業種リレーの『わ』

◎この記事を書いたのは




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