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Prekoトップページ > トラブルを防ぐ相続AtoZ > 【第17回】申告期限間近なのに終わらない 「争族」!そんな時は一体どうなる?
トラブルを防ぐ相続AtoZ

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2018.5.1

【第17回】申告期限間近なのに終わらない 「争族」!そんな時は一体どうなる?

「広田さん、話はまとまりそうにありませんか?」

「それが先生、兄夫婦は裁判も辞さないと言って譲らないんです。話し合いなんてとても無理ですよ」

 広田稔さん(仮名)は、憔悴しきった顔で税理士に答えました。父親の故・博さん(仮名)の相続税の申告期限まで、今日であと三日。しかし広田家の遺産相続は一向に進む気配がありません。
 申告にあたっては原則として「遺産分割協議書」を作成し、相続人全員の実印を捺した上で印鑑証明書と併せて提出しなければなりません。なぜなら、被相続人(ここで言う博さん)の遺産を相続人同士でどのように分けたのかを示す唯一の証拠であり、不動産や預金口座などの名義を書き換えるにも、これが必要になります。
 では、相続の話がまとまらず、申告期限までに遺産分割協議書を用意できない場合、一体どうなるのでしょう? 遺産が「未分割」の状態でも申告そのものは可能です。ですので、一旦期限内に法定相続分で取得したものとして申告を行い、その後遺産分割が完了した上で改めて「修正申告」または「更正の請求」という形で申告し直すこととなります。
 ここで注意して頂きたいのは、「申告期限三年以内の分割見込書」という文書を、最初の申告時に忘れず添付することです。というのも、申告期限までに遺産分割が完了していないと、小規模宅地等の特例(自宅など一定の要件を満たす土地の評価額について、最大で八十パーセントを軽減できる制度)や配偶者の税額軽減(上限を超えない範囲で、配偶者が本来負担する相続税の納税を免除する制度)などが原則として受けられず、税負担もそれだけ大きくなってしまうからです。広田さんのように相続が済んでいないときの救済措置として、このような制度があるのです。
 しかしさらに要注意。兄弟間で話し合いがまとまり遺産分割が完了したら、分割が行われた日の翌日から四ヶ月以内に更正の請求を行わないと、せっかくの小規模宅地等の特例が認められなくなります。また、配偶者の税額軽減を適用するためには、「『分割が行われた日の翌日から四ヶ月を経過する日』と『申告期限から五年を経過する日』のうち、いずれか遅い日」までが更正の請求の期限です。
 最も確実なのは、申告期限までに遺産分割も終わらせた上で通常通り申告することであることは、言うまでもありません。「争族」になれば、結局みんなが損してしまうと言っても過言ではないでしょう。そうならないためにも、早め早めに家族同士できちんと相談することが欠かせません。

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◎この記事を書いたのは

岡田章宏公認会計士事務所
セカンドエース税理士法人
岡田 章宏 先生
TEL:084-921-8531
福山市霞町4丁目-4-13