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WEB in 1面記事

特集・読み物


2014.10.31

「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」秋の読書は「福ミス」で


▲左から選者の島田さん、受賞した神谷さん、実行委員長の羽田市長

 「第7回福ミス」の受賞者が発表された。新人賞受賞者の多くが次作を出版できずに消えていくと言われている今日の出版業界において、福ミス受賞者は4回までの5人全員が、2作目以降を出版している活躍ぶりだ。10月27日〜11月9日の2週間は読書週間。お好きなジャンルに加えてもう1冊、福山が輩出した作家のミステリー小説を手にとってみてはいかがでしょう?

3巡目の第7回受賞作決定
 24日、「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の第7回受賞作発表記者会見がふくやま文学館であり、ペンネーム・神谷一心さん(大阪府在住34歳)の『たとえ世界に背いても』の受賞決定が発表された。
 —ノーベル賞受賞の祝宴の席で、受賞者・浅井由希子は、治療のため研究し続けた奇病の息子が自殺ではなく、高校のクラスメイトにいじめ殺されたと訴える。同時に未曾有の復讐劇が幕を開ける—というストーリー。
 選者の島田さんは「最後まで一気に読ませる。すぐれた問題提起で、風化しないものになる可能性を秘めている。視野を世界に向け壮大。受賞は他に考えられない」と評した。「大切な人を守るには世界にも抗わねばならない」とのメッセージを込めた神谷さんは「嬉しい受賞。編集者の人に声をかけてもらえるかも、島田さんに読んでもらえるかもと福ミスに応募を決めた。これから求められれば、50本は書ける」と意欲を見せている。
 副賞として講談社・光文社・原書房の持ち回りによる出版が約束されており、今回は島田さんのアドバイスで改稿した上で講談社が出版する。3巡目に突入したことになり、実行委員長の羽田市長は「これほどの賞になろうとは。ミステリー文学の登竜門として定着し、福山をPRできるよう育てたい」と語っている。

 「福ミス」は毎年5月に締め切られ、同時に次回受付開始の長編ミステリー賞。副賞として出版(講談社・光文社・原書房の順)と印税、福山特産品が約束されている。
 公募の選考委員と各社編集者による2回の審査後、福山出身の本格ミステリー作家・島田荘司さんによる最終選考で受賞者を決め、福山からミステリー文学界に〝新人〟〝新風〟を送る。

「福ミス」受賞作家の活躍
 これまで6回の福ミスで、7人の受賞作家が誕生している。その後、作家たちが世に出した単行本の表紙を並べてみた。

【1回】『玻璃の家』
2009講談社 松本 寛大


【2回】『伽羅の橋』
2010光文社 叶 紙器


【3回】『鬼畜の家』
2011原書房 深木 章子
  


【3回】『檻の中の少女』
2011原書房 一田 和樹
  
  


【4回】『誰がための刃』レゾンデートル
2012講談社 知念 実希人
  


【5回】『バイリンガル』
2013光文社 高林 さわ

 


【6回】『経眼窩式』
2014原書房 植田 文博



 第1回〜4回の受賞者がもれなく2作目以降出版にこぎつけたのもすごいが、短編をあげれば、まだまだ数えきれないほどある。
 冊数で言えば、サイバーセキュリティミステリーを中心に執筆する一田さんが、7冊と群を抜いている。
 売上げ冊数は、各出版社とも明らかにしていないが、重版がかかったのが、元弁護士・深木さんの受賞作『鬼畜の家』。続く『螺旋の底』『殺意の構図』が本格ミステリ大賞候補作にもなった。選者・島田荘司さんが今年の受賞作発表会場で「深木さんをはじめ、存在感を醸しジャンルを支えている優秀な方々をこの賞から送り出している」と語った通り、第3回で、受賞者をどちらかひとりに絞り切れなかったというのも頷ける活躍ぶりだ。
 また、医師の知念さんが10月1日に出した『天久鷹央の推理カルテ』はなんと発売4日目にして重版決定とか。『優しい死神の飼い方』も、続編が発表される予定。
 応募資格には「受賞作以降も書き続ける意志のある方が望ましい」とある。高林さんと今年受賞作が出版された植田さんによる次の作品が待たれる。他の受賞者も、福ミスでデビューしたミステリー作家という冠のもと、更なる活躍が期待される。
 第7回の応募総数は、福山市内2人を含む68人。優秀作には『ベンヤミン院長の古文書』(金澤マリコ)が選ばれた。
 第8回の作品募集は、来年5月10日消印有効。詳しくはホームページ「福ミス」で検索。

「優秀作」受賞作家も活躍
 受賞こそ逃したが、「優秀作」を受賞してデビューし、活躍中の作家もいる。
 第1回優秀作者・水生大海の『少女たちの羅針盤』は、映画化されあまりにも有名になった。彼女の執筆活動が最も盛んで、毎年2〜3冊ペース。今月1日『消えない夏に僕らはいる』が出て、計10冊を出版している。
 第3回優秀作『変若水』の吉田恭教は『ネメシスの契約』を、『キョウダイ』の嶋戸悠祐は『セカンドタウン』を、ともに2作目を出している。
 第6回優秀は3作。明利英司『旧校舎は茜色の迷宮』が今年8月に、若月香『屋上と、犬と、ぼくたちと』が9月に相次いで出版された。後者は、福山出身作家による福山が舞台のミステリーで話題だ。残る優秀作も『焼け跡のユディトへ』(川辺純可)に改題し11月19日に出版予定。


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