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WEB in 1面記事

特集・読み物


2012.9.5

38年連続ワーストワン脱出 備後の母なる芦田川 水質編

- 水質編 -

 国土交通省の「河川水質ランキング」が開始された昭和48年以来、中国地方の一級河川で、38年連続ワーストワンを更新し続けて来た芦田川。この不名誉な記録が解消されたことが、国土交通省の今夏の発表で明らかになった(8月10日号既報)。
 芦田川より悪い川があっただけで、依然ワースト2であり、今年の水質がどうかはわからない。しかし、ワースト2すらこの38年間に達成できなかったことだ。
 これを機に、備後の母なる川ともいうべき芦田川の水の汚れの原因は何か、どんな方法で水質が調査されているのか、また、今後さらなる改善のために、どういった取り組みが必要かを、国土交通省 中国地方整備局(福山河川国道事務所)で尋ねた。




ワーストワンから初の脱出…
 国土交通省では、昭和33年(中国地方整備局は36年)から河川の水質調査を開始しており、汚れの度合いを示す数値による「水質ランキング」は、昭和48年から始まっている。
 芦田川はその間、中国地方の一級河川(13水系15河川)のなかで常にワーストワンの座を譲ることがなかった。※平成22年は吉井川と同数値で最下位。
 その芦田川が、この7月31日に発表された、平成23年の調査結果で、15河川中14位。初めてワーストワンから脱出したことがわかった。全国順位では、109水系164河川中で153位。例年、ワースト10前後に位置している。


水質調査方法…
 水質ランキングは、河川の数地点で毎月計測されたBOD平均値などで決まる。
 BOD(生物化学的酸素要求量の略)とは、水の汚れを微生物が分解するときに使う酸素の量のことで、数字が大きいほど微生物がたくさん汚れを分解していて、汚れが多いことを示している。
 芦田川の調査地点は、上流から府中市久佐町、大渡橋、府中大橋、福山市の上戸手、中津原、山手橋、小水呑橋の7か所。平成23年のBOD平均値は、1.5 ㎎/ℓ。吉井川が1.6㎎/ℓだった。
 表を見ると、ワーストワン更新期間中も汚れの値が徐々に減り、水質改善のための河川事業が行なわれた頃から、年平均値も2.5㎎/ℓ以下に抑えられていることがわかる。




汚れの原因は…
 ひとことで言ってしまうと、生活排水などで汚れた水を薄めるだけの水量がないから。
 芦田川では、1年間に降る雨の量が全国平均の3分の2しかないにもかかわらず、水道用、工業用、農業用と、実に9割もの水が利用されている。その上、府中・福山を中心に流域人口が多く、汚れも多いため。汚れの内容は、風呂、台所、洗濯などで使った生活排水が、約7割を占める。


水質改善へ次のステップ…
 「きれいにするには、家庭からの排水の汚れを減らすことが一番の近道。もともと汚れを浄化する力が少ない川だけに、各家庭の協力や、各種団体、ボランティアの啓発活動など人の努力が欠かせない」と福山河川国道事務所 調査設計第一課の山﨑隆洋課長。また、下水道整備(整備率は全国平均の約半分)と合併浄化槽設置促進といった、川に生活排水が流れ込まない行政の事業も効果があると語った。
芦田川の最終目標は、環境基準を達成すること。上流域はほぼ環境基準A(BOD75%値2・0)をクリアしているので、下流域が環境基準B(3・0)以下にすることという。 


芦田川を学ぶ今月の行事…
☆下水道科学館inあしだがわ 9月10日の下水道の日にあわせて、9月22日(土)10時〜15時 箕沖町の芦田川浄化センターで。施設体験ツアー、水の実験、微生物観察、再生水で育てた芋掘り体験、肥料配布など。市役所北口から無料バスあり。問合せは水道局企画総務課☎084─928─1525。☆「水辺の学び舎」芦田川環境マネジメントセンター(AEMC・田中宏行会長)主催の芦田川をフィールドとした体験学習会が9月30日(日)に開かれる。府中消防署集合で9時半〜15時半。水質調査や魚とり、魚マップ作成など。無料。申込み制で先着50人。福山駅北口から無料バスあり。問合せはAEMC事務局☎084─920─8777。



目で見える水質調査 パックテスト
 今夏6日間行われた「芦田川見る視る館」開放デーで、パックテストをする様子。試薬を入れたパックに水を入れて振り混ぜたときの色の変化で汚れがわかるという、簡易的な方法(COD・化学的酸素要求量)で調べている。芦田川や高屋川の水と、芦田川の水に砂糖ひとつまみやしょうゆを一滴たらした水を用いて色の変化を見た。見た目が変わらないほどの、ほんの少しの量でも、生物がすめない数値を示す色に変化した。



●芦田川の水質改善へ 高屋川河川浄化施設
 高屋川合流地点から芦田川の水質が一気に悪化すると言われる。改善のため「芦田川見る視る館」と同じ敷地内で、約58億円かけて、平成13年から稼働しているのがこの施設。取水口から川の水を取り込み、施設内で汚れを沈めたり固めたり、濾過したりして、主にリンを取り除いてから(90%以上除去)放流口から戻される。1日に4万㎥もの水を、飲み水に近い段階まできれいにできる。この量は、川全体の3分の1〜4分の1程度と推測される。
 写真上は、浄化後に高屋川に戻された水の流れ。左は施設内。



●今できる、もっとできること…
 毎年11月の「河川浄化チャレンジ月間」の啓発などで、既に実行中の家庭も多いが、クリーン5を実行しよう。
①排水口にネットをかけ、調理くずや食べ残しを流さない
②食器の汚れはふきとってから洗う
③食用油は紙に染みこませたり固めたりして捨てる
④食器を洗うときに洗剤の使用量を減らす
⑤洗濯のときに洗剤の適量使用を心がける

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◎この記事を書いたのは

地域情報紙ぷれすしーどの1面に掲載したなかからチョイスしたものを紹介します。